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ボクは不思議な森の中を彷徨っていた。 なぜ、この森に入り込んでしまったのか、いつからこの森の中を彷徨っているのか、それは当のボクにもわからなかった。 この森の魚は空を飛ぶ。羽根も翼も持たぬ体で宙を泳ぐ。 一匹の魚がボクの鼻先まで泳いできて、数秒、にらめっこをするように、ボクの顔をじっと見てから、ボクを置き去りにして泳ぎ去った。 森には大きな沼がある。 沼は濃灰色に澱んでいて、底は知れない。 綺麗好きな兎が浴場として使っているのだけど、泥混じりの濁った沼の水だから、元は白かったその兎の毛も今は沈着して、鼠の毛のような色になっている。 それでもその兎は気にせずに、本日三度目の水浴みをしていた。 歩いて歩いて歩くと、空が見えるようになった。 森の出口に差し掛かったところで、赤い洗面器を頭に乗せた男に遇った。 「どうしてそんなものを頭に乗せているの?」 ボクがそう聞くと、彼は顔を洗面器に負けないくらい真っ赤にして怒り出した。 「どうして獣が人間の言葉をしゃべるんだ」 ボクは答えることができず、そして言葉を失った。ボクは不思議な森の中に棲んでいる。 あとがき ちょっと時間がないので、過去に書いた小説っぽくないスタイルのお話をアップ。 不思議な話だけど、それぞれがなにかのメタファーであったりはしない。話の中のボクはボクではないし、森も沼も、空飛ぶ魚も綺麗好きの兎も洗面器の男も何かや誰かを表しているわけじゃない。ただこんなのに着想を得て書いただけの話。 赤い洗面器の男は三谷幸喜へのオマージュということで。というか、いい加減赤い洗面器の男の話、オチを聞かせてほしい(´・д・`) |
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コメント |
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不思議な感覚ですね〜「僕」の姿を色々想像してしまいました。
リンク先の画像も素敵ですv
No.38 2008/02/25 14:27 |
neon1914 #- [ 編集 ]
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